- ・2010-08-01
- 戦う前に、自分と相手の持ち駒を見定める
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学歴・職歴
例えば、ブルーワーカーとエリート大学卒では、労働契約解除を切り出した後の反応が違う。エリート大学卒の場合には、他にいくらでも転職先があるので、会社と揉める面倒を覚悟してまで、カネをむしり取ろうとする人は少ない。反対に、クビにされると今よりよい条件の転職先が見つからないブルーワーカーは、ゴネる。他の例でいうと、日系企業を渡り歩く日本語人材は、転職後も近くの日系企業に転職する可能性が高い。そんな日系企業人材の場合には、「あまりふざけたことを言っていると、転職先を調べて、おまえのそういう態度をチクるぞ」というような姿勢を見せると、結構早く解決する可能性もある。
周りの従業員との関係
これは、かなり重要な情報だ。会社にとって怖いのは、社員1人の問題が、「会社対全従業員」の問題になること。その従業員が、他の従業員からの信頼が厚く、リーダーシップがある場合には、ストライキまで発展する場合もあるので厄介だ。そういうリーダー格の従業員に対しては、多少多めのカネを払ってでも穏便に解決した方がよい場合がある。逆に他の従業員からあまり相手にされていないようなヤツの場合は、大事には至らないので安心だ。法律に則った最低限の補償で、強気に交渉すべきだろう。
従業員が行った過去の不正行為
これも結構使える。刑事事件にまで発展する可能性がある不正行為であれば、会社側がそのことをほのめかせば、自分から辞めていく可能性すらある。刑事事件として立件するだけの証拠がない場合は、チラ見せくらいがちょうどよいかもしれない。ただし、あまり相手を逃げ道のない崖っぷちまで追い込むと、何をしでかすか分からないので注意が必要だ。
従業員が知っている会社の弱み
これは、逆にこちらの弱点となる。役所に密告されると会社がやばいことになる可能性がある場合には、少し従業員有利な条件でも、うまく協議で決着をした方がよいだろう。
最後に、このような調査は、1ヶ月以上かけてやるものではないことも注意してほしい。長く時間をかければかけるほど、敵がこちらの動きを察する可能性が高くなってしまう。これまでの経験上2週間程度で、収集できる情報だけ集めてあとは、実際の協議に入ったほうがよいだろう。