- ・2010-10-01
- 中国語の偽ブランドが出回っている?
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多くの日系企業は、自社オリジナルブランド名称等の商標権を中国で取得済みだと思う。ちなみに、それら自社の商標は、「何語」で登録されているかご存知だろうか。実際多いのが“英語名”で商標権を取っているケースだろう。そんな場合には、注意が必要だ。
中国ローカル企業がよくやる手口が、オリジナルブランド英語名称に発音が似ている中国語名で、商標権を取るという方法。
英語と中国語を比較しても、発音が完全に一致する訳ではないので、中国語の(ある意味ニセモノ)商標が登録をされてしまう可能性があるのだ。
「英語のブランド名称だけでなく、発音の似ている中国語名称も全て商標登録すればいいじゃないか」と思っても、発音の似ている中国語名称など無数にあるので、それは現実的な解決策とはなりえない。
実際そのようなことが起こった場合、中国ローカル企業を訴える日系企業が多いとは思うが、そんな場合に、果たしてこちらの言い分が認められ、訴訟に勝てるのだろうか。
一概には言えないが、これまでの訴訟事例から判断すると、中国ローカル企業がその中国語商標を使って、「どんな商品・サービスのビジネスを行っているか」が勝敗に大きく影響している。オリジナルブランドと同じ商品・サービスのビジネスをしている場合には、オリジナルブランドが勝訴する可能性が高く、オリジナルブランドと異なる商品・サービスを販売している場合には、反対に負ける可能性が高い。
ただし、実際にめでたく訴訟に勝ったとしても、中国ローカル企業が当該中国語商標を使えなくなるだけで、その中国ローカル企業から高額の賠償金をもらうことは難しい。中国ローカル企業が紛らわしい中国語名称を使うことで、本家本元であるこちら側が受けた損害金額を、客観的かつ正確に算出するのが難しいからだ。
日系企業がこのような事件に巻き込まれた場合には、運悪く事故にあったと思い、専門家の意見を聞きながら、辛抱強くディフェンシブな時期を過ごすことにする覚悟が必要だろう。