- ・2011-04-01
- えっ、ウチの取引先って大企業じゃなかったの?
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・ (中国では老舗に相当する)創立10年の大企業
・ 上場企業
・ 財務的にも問題ない
・ これまで政府から処罰等もない
うさんくさい会社が多い中国でも、上記のような会社であれば、倒産するはずもなく、まず回収も間違いないだろうと、日本人が安心してしまうのも無理がない。実際、日本本社への説明もしやすい。
でも意外と、こういう「安心であるはずの会社」に対する売掛債権が回収不能になる。
たしかにその立派な大企業自体は安心なのだが、知らず知らずのうちに日系企業はその会社ではない別の会社と取引していることがある。その大企業の会社名と、実際に取引をしている会社名がほぼ同じだから、日本人が間違えるのも無理がない。特に実際に取引をする会社が、大企業の孫会社等グループ会社であれば、なおさら日本人には見分けがつきづらい。
しかし、実際に契約を結び、注文書を受領し、商品を送る先が、(名前が似ていようとも、グループ会社であろうとも)大企業とは違う会社であれば、その売掛債権を支払う責任は、大企業ではなく、実際に取引している会社となる。
その大きな会社自体は自ら倒産する可能性は少ないが、いざとなれば平気で孫会社くらいは潰すと思った方がよい。孫会社がつぶれても、有限責任のため、その大企業自体から債権を回収することはまずできない。この大企業が上場企業であっても、こういうことは(中国では)よくある話だ。
我々の会社に債権回収に相談に来られた日系企業の総経理に見せてもらう資料の中で、実際に商品を販売した会社名と、(販売する前に行った)信用調査対象の会社名がかなり似てはいるが、別会社ということが、実際よくある。
あなたの会社は、安心な大企業だと勘違いして、異なる会社と取引していないだろうか?