- ・2011-03-15
- 営業担当者任せが、不良債権のはじまり
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前回までの連載で書いた「契約を結んでいない」、「契約書に相手の法定代表人以外のサインしかない」というミス以外で、意外と多いのが「営業担当者に任せすぎ」という失敗だ。
「商品・サービスを売るだけでなく、代金を回収するまでが営業の仕事」と言われるためか、売掛債権管理は、営業担当者自身で行う企業が多い。ただし特に中国の場合、債権管理を営業担当者に任せすぎると、不良債権化する確率が高くなる。
まず社内で不良債権が発見されるまでにまず数ヵ月かかる。当然その際営業担当者に、「直接訪問して、ちゃんと払ってもらうように交渉してこい」と指示を出しても、その客が遠隔地にある場合には、訪問するのも1ヶ月以上先となる。その営業担当者に数回客先を訪問させても進展がなく、営業担当者だけでは埒が明かないことが分かるのがまた数ヵ月後。それではオレの出番かと経営者自身で客先に乗り込んでいっても、急に出張が入ったとかで客先の老板に会えない。やっと客先の老板に会えたとしても、「3ヶ月後には必ず払うから安心して待っていてくれ」という口約束を取り付けることが精一杯だったりする。そうこうしているうちに、債権の時効2年が目の前となる。
もっと最悪なのは、自社の営業担当者が、客先と癒着している場合だ。営業担当者が客先とグルの場合には、いくら営業担当者に「代金を回収してこい」と言ったところで、意味がない。
そんな状況を防ぐためには、債権回収を営業担当者だけに任せずに、牽制が働く仕組みが必要となる。あなたの会社の債権管理は、2重チェックできる体制が整っているだろうか。