Y&E LAW・CONSULTING 上海外安伊企業管理諮詢有限公司

 昨年後半から続いているグローバル不況の影響で、リストラを余儀なくされている日系企業も多い。実際、弊社が最近受ける相談の多くがこの「リストラ」案件だ。

 

リストラの内容は大きく分けると「従業員数削減」と「稼動時間短縮」の2つ。今回はその2つのケースで特に注意すべきポイントについてまとめてみる。

 

まずは従業員数削減の場合。ご存知の方も多いと思うが、20人以上、または全従業員の1/10以上を一度にカットする場合には、事前に労働局から許可を得る必要がある。ただ実際には、従業員側に立つ労働局からリストラの許可を得ることは難しい。従って企業側として取りえる手段としては、「まとめてではなく1人ずつ処理する」、「不況を理由に解雇するのではなく、就業規則重大違反等を理由にする」「従業員と協議の上で労働契約を解除する」などが考えられる。その場合キチンと証拠を残す必要があるが、その証拠となる書類の文章の書き方にまで気をつける必要がある。処理の仕方を1つ間違うと、ストライキ等に発展し、事態が悪化する可能性もあるので注意が必要だ。リストラに限った話ではないが、想定される課題に対するバックアッププランも用意した上で、リストラを実行する必要がある。

 

次は、週休3日、週休4日など稼動時間を短縮する場合。合法的かつ合理的な稼動時間短縮のプランを作り、従業員代表大会等で従業員と相談した上でそれを有効化して、全従業員に公開する必要がある。ポイントは、時間短縮プランが合理的であるということ。また誰を対象とし、いつまでその労働時間短縮を続けるのかも明確にしなければならない。そして従業員の稼働日を減らした場合でも、その日の給与を全額カットすることはできず、最低生活費(地域によって異なる)は払う必要があるので注意が必要だ。また労働時間短縮をアナウンスすると、(給料が安くなることが分かるので)自分から辞める従業員もそれなりに出てくることも想定する必要がある。

 

またこの不況に乗じて、ニセモノの病気診断書を提示して病気有給休暇を要求したり、会社のミス(社会保険未払、残業代未払等)を利用して退職時に多くのカネを請求する従業員なども出てくるので、注意が必要だ。

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