Y&E LAW・CONSULTING 上海外安伊企業管理諮詢有限公司

今回は、日系企業のお客様に好評を得ている弊社の「ストライキ対応マニュアル(2010版)」の内容について、もう少し説明しよう。

 

ストライキ対策として会社がやれることは、(1)ストライキの発生確率をできるだけ減らす努力と、(2)いざ起こった時の「事前」準備をしておくことだろう。(1)としては、日頃から工員達の本音を聞く機会を作り、ガス抜きをすることに尽きる。部下の中国人中間管理職が自分の都合を考慮して上げてくる偏った情報を待つだけでなく、積極的に従業員の「本音」を聞く機会を作るべきだ。従業員の要求がリーズナブルかつ実現可能であれば、即対応することで、従業員の対会社への印象も大きく変わるだろう。

 

(2)の事前準備としては、ストライキ発生を想定した「対応マニュアル」を作ることをお勧めしたい。対応マニュアルを事前に作成することで現法日本人経営者、中国人幹部の心の準備になるだけでなく、日本本社等とも共有することでストライキ発生時にスムーズに対処できる。弊社で販売している「ストライキ対応マニュアル(2010版)」がとても好評を得ている。このマニュアルには、(A)ストライキ発生初期、発生後の時系列対応フローチャート、(B)ストライキに対応する社内体制、役割分担、(C)ストライキ発生を未然に防ぐ労務管理、などが詳細に記されている。また、どの時点で、総経理、日本本社、関係各局へ報告するかなども、マニュアル上に書いておく方がよいだろう。

 

また、マニュアルにも詳しく書いてあるが、ストライキの対応で一番大切なのは、まず従業員が最初に騒ぎ始めたときに行う会社としての「1次対応」だ。この対応次第で、ストライキにならずに収まるか、業務が止まるストライキになるか決まる。しかし、勘違いしてはならないのは1次対応の目的は「騒ぎを起こした従業員を説得して、その場でストライキを解決させること」ではなく、「騒ぎをこれ以上大きくさせないこと」と「騒ぎの真の原因を掴むこと」にある。頭ごなしに怒らずに、まず相手の言い分を聞くことに徹することだ。給与UP要求の裏に隠された従業員の真の要求を掴まなければ、問題を解決することはできない。その他にも1次対応で気をつけるべきこととして、録音機を使う、変な約束はしない、一旦現場から離れて会議室等で話をする、などもある。また1次対応の結果は、1次対応を担当する中国人管理職の個人的なスキルに依存するのも事実だ。弊社では、ストライキ1次対応担当者向けの事前のトレーニングもやっている。(ご興味があれば、弊社までご一報ください)

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