Y&E LAW・CONSULTING 上海外安伊企業管理諮詢有限公司

従業員との労働契約解除に関して現地法人経営者が知っておくべき基本事項について、Q&A形式で解説する「労働契約解除の基礎知識」。4回目の今回は、盗難犯罪に関する労務問題について。

 

Q5:会社の商品を盗んだ従業員がいる。職場に設置しているビデオカメラでその盗難現場も録画してある。当然そんな従業員は即刻解雇だ。

 

A: 犯罪者のこのような従業員も100%解雇できない可能性があるので注意が必要だ。まずビデオカメラの精度の問題。会社に設置してあるビデオカメラの映像は、不鮮明で証拠にならない場合が多い。盗難されたものがかなり大きくないと、それを証拠として特定できない可能性が高い。具体的な例でいうと、入り口の門にビデオカメラが取り付けている工場も多いと思うが、そのビデオカメラに映っている映像を拡大しても映っている車のナンバープレートの番号も特定できないことが多いのだ。

 

次にその従業員がシラを切りとおす可能性が高いという問題。ビデオカメラでその従業員が商品を持っている証拠がつかめたとしても、「その商品は自分で購入したものだ」と主張するかもしれない。従業員もシラを切れば、実際に盗難したことが間違いなくても、無罪放免となる可能性があるのだ。

 

そこで有効な方法が、その従業員との個別の話し合いで解決する方法だ。その従業員に対して「盗難の証拠あるよ(会社の言うことを聞いて辞職しないと公安に捕まえてもらうよ)」と言ってみよう。従業員は捕まるのが怖くなり、自主的にやめるだろう。それでも辞職しない場合には、その場で公安に通報して、その場で刑事事件にしてしまう方法もありえる。ただし、その場合、途中で従業員と会社の問題が解決したとしても、公安の取り調べはSTOPはできないので注意が必要だ。

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